今回の記事は「カーリースとは?わかりやすく解説」についてです。
カーリースはとてもわかりずらい仕組みになっています。
私もカーリースをお客様に説明する程度に理解するのに、時間がかかりました。
カーリースがどのぐらい難しいかというと、車屋さんでも理解できてない人がいると言ったら分かりやすいかもしれません。
私はカーリースに関する、ある研修に参加した事があります。
そこでは、中古車や新車の販売を長年していた車屋さんも参加してました。
熟練したプロでも、ふつうの車販売とまったく違う概念のカーリースを理解するには時間がかかっている様子でした。
車業界にいる人でも、カーリースを始めて勉強した際には、理解に時間がかかるわけですから、一般人が理解するのはもっと難しいといえます。
今回はカーリースの初歩的なところから解説していきます。
今回の記事はこういった方におすすめです。
カーリースとは?普通購入と何が違うのか わかりやすく解説
カーリースの仕組みですが、ふつうに車を買う場合の違いは以下になります。
普通に車を買う | カーリース | |
車検証 | 所有者が自分 | 所有者がリース会社 |
支払い方法 | 現金かローン | リース会社への分割(口座振替が基本。KINTOはクレカあり) |
支払い額 | 全額支払い | 車を利用する年数分だけの使用料を払う |
車検・整備 | その都度自分で支払い | 月々費用に込みにできる。どこまで込みにするかは契約時に決める |
利用期間 | 自分の車なので自己判断 | 契約時に決めた期間(期間満了後はいくつかの方法あり) |
カーリースは「リース」とあるように、「車をかりる」という契約になります。
ただ、ここで疑問が生じる人もいるのではないでしょうか?
そう!かりるなら、レンタカーやカーシェアもあるけど、それとは違うの?という疑問です。
結論はレンタカーやカーシェアと、カーリースは別物として扱われます。
レンタカーやカーシェアは一時的な貸し出しになりますが、カーリースは長期になります。
そのためナンバープレートに違いがでます。
レンタカーやカーシェアの車は、ナンバーのひらがなの部分が「わ」や「れ」が入ることになっています。
そのため、ナンバープレートを見るとレンタカーやカーシェアはすぐに分かるのですが、カーリースの場合は違うので、見た目では普通に車を所有しているのと区別ができません。
それでは、普通購入との違いを細かくみていきます。
カーリース料金の仕組みについて
一番気になリース料金と支払い方法について解説します。
リース料金が決める時に、指標となるポイントは大きくは2点です。
①リース期間
②車検やメンテナンスをどこまで含めるのか
リースは「かりる」という事になるので、かりる「期間」を最初にきめます。
この借りる期間によってリース料金が変わります。
車は新車から何年後には、だいたいどのぐらの価値になっているかを予想する事ができます。
リース会社はこれまでの莫大な情報をもっているので、だいたいの相場を計算することができます。
例えばリース期間を5年とすれば、100万の車なら5年後には、だいたいどのぐらいの価値まで落ちているかを想定するわけです。
5年後には、100万の車が40万円の価値になっていると予想すれば、お客様には残りの60万円だけを5年間で分割で支払ってねとなります。
この時の40万円のことを「残価」といいます。
カーリースの契約をする時に「残価」という言葉が必ずでてきますので、これには注意してください。
7年リースで残価80万円という車があれば、7年乗った後の車の価値は80万円という設定だということです。
残価を現実的に考えると、こういう事になります。
「残価80万の車を、リース期間満了時に買取査定の業者に査定してもらうと、最低でも80万円では買取してもらえるはずという計算です」
もちろん誤差は生じるので、「残価清算」という言葉がカーリースにありますが、7年リースで満期を迎えたときに、実際に最初に決めた残価分と査定額に誤差があれば、誤差分の調整が入るという仕組みです。
誤差分の調整とは、たとえば7年リースで、300万円の車で残価80万の車で考えてみます。
7年後には80万の価値が残ってるはずなので、契約者には300万円ー80万円の220万円を7年間で分割で払ってねという契約になります。
しかし実際に、7年後に査定をすると75万円の価値しかなかったとします。
そうすると、本来契約者は7年間で300万円ー75万円の225万円を払うべきだったとなるので、実際に支払いした220万円に対して5万円たりないので、5万円追加で最後の払ってねということになります。
逆に価値が85万円あるとなれば、契約者に差額分が還元されるという仕組みです。
これを残価清算といいます。
ただ、これはリース車をリース会社に返却する場合の話になります。
リース会社にリース車を返却せずに、自分が買い取るという方法もあるのですが、その場合は、契約時に決めた残価分の80万円をリース会社に支払うことによって、自分の所有とすることができます。
80万円以外に必要になるのは名義変更など、事務手数料程度になります。
カーリースの支払方法は口座振替?クレジット払い?
カーリースの支払方法は、基本的には口座振替になります。
ローンの場合は、月々が完全均等になります。もちろんボーナス月は除いてです。
あえていうと、ローンでも月々で均等割りしても、端数がでるので端数分は、1ヵ月目に加わることが多いです。
たとえば、一カ月目(初回)だけ11,000円で、残り35回は10,000円みたいな感じです。
それに対してカーリースは、1ヵ月目(初回)の支払が、2カ月分合算になることがほとんどです。
理由はカーリースは車を貸しているので、リース期間満了月の支払で、全てが終わるようにするためです。
例えば6月に車を納車した場合、金融機関の事情でほとんどは翌月(7月)からの引き落としになります。
翌月(7月)となると、車のリースとしては2ヵ月目に入っているので、その月に初回分と合わせて2ヵ月分の引き落としがかかるという仕組みです。
そしてリース期間が満了月と同時に、その月の支払で終わるという流れになります。
クレジット払いは基本的にはありません。
しかし一部、クレカ払い対応のカーリースも出てきていて、トヨタのKINTOなどはクレジット払いが可能なカーリースになります。
トヨタのKINTOについては、こちらの記事でも紹介しています。
【2023年】車のリースならどこがいい?おすすめカーリース5選!
車検・整備・点検などメンテナンス込みとはどういう意味?
カーリースを調べていると必ず目にするのが「コミコミ」というキーワードです。
これは何を指しているのかというと、車を維持していく上で必要になってくる諸費用や整備・点検費用も月々払いに込みですよという意味です。
諸費用とは以下のようなものです。
自動車税は毎年かかってきます。
重量税、自賠責保険は車検ごとに必要となります。リサイクル券は車の購入時にだけ支払うものです。
カーリースではこういった、必須でかかる費用を込みにしています。
この諸費用に加えて、メンテナス(車検、整備・点検)をどこまでつけるかも契約時に決めます。
7年リースだと、初回の車検が3年目になりますので、3年目と5年目の2回の車検代を込みにするのかどうかを決めます。
ちなみに7年目も車検の年になりますが、リース満了になるので、7年で終わる場合には車検は通さずにリース会社に返却となります。
なお、リース会社にもよりますが、この車検や整備費用を込みにしない契約も可能な場合があります。
実際、私のお客様の中には車検費用入れないリースを組んでいる人もいます。そうなると、ほとんどローンと変わりません。
この車検に加えて、点検・整備費用をどこまでつけるかも決めれます。
選択肢のほとんどは、12ヵ月点検、オイル交換、タイヤ交換までつけるかなどになります。
新車から5年リースや7年リースになると、ほとんどの場合は大きな故障が生じるリスクが少ないため、
消耗品(必ず交換が必要になるもの)だけの交換になります。
そうなると、5年分、7年分の消耗品の点数や額を事前に計算できるため、その総額を契約時に車両本体価格に乗せて分割するという計算になります。
もし、大きな故障が生じた場合もメーカーの新車保証があるので、リース会社としてはリスクが少ないという結果になります。
リース利用期間と満了後の選択肢について
自己所有の車とリース車の違いの一つに、リースはかりる期間が決まっているというのがあります。
リースは契約時に借りる期間を決めます。
その期間によってリース料金も変わってきます。
リース期間が7年、9年となればなるほど、車の価値は下がっていくので残価も小さくなります。
そして分割年数が長いため、月々の支払が小さくなります。
リース期間が終わった後は、どうなるのでしょうか?
選択肢は以下の3点になります。
①のリース会社に車を返す場合は、先ほど説明したとおり残価清算ということで、査定が入ります。その誤差分を支払うか、受け取るかになります。
②の自分が買い取る場合には、契約時に設定した残価をリース会社に支払うことで、自分の車にできます。残価以外に必要になるのは、名義変更などの手数料だけになるので、そこまで大きな額にはなりません。
③の再リースは、たとえば残価80万円とすると、その80万円をさらに3年などの期間でリースして月々支払いしていくことです。
どれがおすすめかは、ご契約者のおかれている環境しだいです。
カーリースには金利はかかるのか
カーリースも審査があります。
リース会社から支払い能力があるのか見られるわけです。
「リースは金利は何%?」という質問を受けることがあるのですが、リースには金利という概念がありません。
金利とはあくまでローンなど、お金を貸すという時に生じるものです。
カーリースはお金を貸すわけではないので、金利という考えがなく、その代わりに手数料を支払うことになります。
その手数料の計算方法は開示されてないため、私たち車屋にもわかりません。
ただ、私が手計算で逆算で計算した限りでは、そこまで大きくはありません。
中古車をオートローンで組むときの金利分よりは、少し安めの手数料になっています。
オープンエンド・クローズエンドってなに?
カーリースを調べていると、オープンエンド、クローズエンドという言葉がでてきます。
オープンエンドとは、この記事で解説してきたように、残価がいくらですよと開示されているリースになります。
それに対してクローズエンドとは残価が開示されていません。
残価が示されていないので、リース期間が終わる際に、残価清算がないということになります。
車の価値がもし相場より下がっていても、お客様が負担して支払う追加費用がないということになります。
車の価値が下がっていても、リース会社がそのリスクを負いますよという前提の契約になります。
ただ、リスクはリース会社が負っていても、その分、裏での残価はかなり低めに設定されていて、ご契約者が月々支払いで、リース会社が損しない程度に支払っているとも言えます。
それでも、残価清算に不安がある人にとっては、クローズエンドは安心なプランといえます。
ちなみにクローズエンドの場合は、残価清算がないかわりに、ほとんどの契約では、満了時は車をリース会社に返却という選択肢のみになります。
一部条件つきで、再リースや買取という場合もあるようですが少数です。
カーリース会社のホームページにない車でも、リースは組める?
ここまでカーリースの基本の仕組みを解説してきました。
この基本の仕組みをベースに、各カーリースの会社が、いろいろなサービスを研究し切磋琢磨してリース車を提供しています。
カーリースの会社のHPを見ると、リース車がずらっとならんでいます。
これは、お客様が選択しやすいように、需要のありそうな車をピックアップして、その車で5年や7年、または9年など年数を決めて、ゴロのいい月々料金になるように計算して設定しています。
同じAという車で、同じリース期間でも会社によって値段が違ったりします。
理由は仕入れ値の違いもありますが、よく見ると残価の違いや、メンテナンスをどこまで入れるかなど、小さな差別化の違いも影響しています。
ちなみに、私のお客様が、他社のリース会社のチラシをもってこられて、このAという車で、同じようなメンテナンス内容で、同じぐらいの額でやれないか?と相談されたことがあります。
結論からいうと可能でした。
そのAという車の仕入れ額を考えると、私の店では利益が少なくはなりましたが、カーリースの仕組みは同じなので、そのAという車で同条件で見積もりをつくってお渡しする事ができました。
リースを扱っている車屋さんでは、その気になれば、どの車でもリースを組むことができます。
ただ、それはお店ごとの方針もあると思います。あくまでHPで提供している車種だけという場合あると思います。
もし、カーリースのHPを見ながら、自分が欲しい車がない場合や、メンテナンスでも追加でほしい項目があれば、試しに車屋さんに相談してみる価値はあると思います。
少なくとも私のお店では、色々幅広くカスタマイズできます。
ただ、実際ほとんどの場合は、HPで紹介されている車で、自分の好みの車が見つかるので、その中から選んで、審査をしてもらうというのが楽ではあります。
おすすめのカーリース5社は、こちらで紹介していますので、リース会社選びに迷っている方は、参考にしてください。
【2023年7月】車のリースならどこがいい?おすすめカーリース5選!
まとめ カーリースのメリット デメリットも知っておくと失敗しない
カーリースは今や、車の乗り方の主流の方法になっています。
サブスク時代と言われますが、車も例外でありません。
今回はカーリースの仕組みについて解説してきましたが、カーリースにもメリット、デメリットがあります。
メリットの一番大きな点は、まとまった支出がない。定額で予想できる出費で、車に乗れるという点です。
このメリット、デメリットについては、こちらの記事で書いていますので、一緒にお読みください。
カーリースはやめとけはホント?知恵袋にある声に現役車屋が答えます!
カーリースのメリット、デメリットを理解すると、カーリースが自分に向いているのか、そうでないのかが分かってきます。
私のお客さまでも、カーリースに納得されている方もいれば、不満ではないけど、2台目の車はローンで買うという方もいます。
人それぞれ、おかれている環境や車との付き合い方が違います。
この記事をお読みの方は、勉強熱心な方だと思いますので、ぜひ正しく理解して、カーリースを選ぶかどうか検討してみてください。
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