日本人は車の傷を気にしすぎなのか?傷を気にすることのメリット・デメリットを現役の車屋が解説します

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日本人は車の傷を気にしすぎなのか? 疑問に答える
木村徹夜(テツヤ)

ブログ運営者/記事執筆者
車屋の現役社員。車の買取、販売がメイン業務
一般の車屋として、ディーラー社員や車業界の(元)社員には語れない
一次情報からの記事を意識しています。

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ドライブ君
ドライブ君

日本人って車の傷を、海外の人にくらべても気にしすぎなのかな?

テツヤ
テツヤ

そういう傾向はあるね。比較する国でも程度差はあると思うけど、間違いなくトップランナーだと思う

ドライブ君
ドライブ君

最近は海外だと、日本の中古車が人気があるのはどこの国?

テツヤ
テツヤ

アフリカは熱いよね。かなり需要がある。以前、アフリカ向けの輸出を考えたことがあって、それに強い業者と話したことがあるけど、日本でも売れない外装の車でも、全然OKだったね

日本人は車の傷を気にしすぎなのでしょうか?

結論は、海外に比べて圧倒的に車に対する丁寧さはあります。

「気にしすぎ」かと言われれば、そうかもしれませんが、車屋からすると、それゆえに中古車ビジネスが成り立っているのもあるので、「気にしすぎ」までは言えないようにも思っています。

しかし、海外は日本人ほどは気にしていないのは間違いないです。

今回は私の体験を元に、これに関する記事をかいていきます。

この記事で分かること

・日本人は海外の人と比べても傷を気にしすぎるのかどうか

・車の傷を気にすることのメリット・デメリット

アフリカ向けの中古車を探した時の体験 傷や凹みは気にしていなかった

テツヤ
テツヤ

僕は海外輸出はしてないけど、検討したことはあって、その時に輸出業者や輸出プラットホームの方と話したことをベースに、車の傷に関して知ってることをお伝えするね

現在、私はアフリカ向けの輸出ビジネスはしていません。

間接的に自社の中古車が海外に売られることはあります。

例えば、あるサイトに中古車を掲載していると、それが共有在庫といって、輸出業者と共有されている事があります。

輸出業者を通して、それが海外で売れると、「まだ在庫がありますか?」と輸出業者から問い合わせがはいり、間接的に車が海外に売られるという仕組みです。

しかし、直接海外に販売するという仕事はしていません。

ただ、海外輸出は個人的にも関心があり、海外輸出をビジネスにしているプラットホームの方の話を聞いたり、輸出をビジネスにしている業者と話したことはあります。

今の自社の現場の力量で、海外輸出ビジネスを出来るかを検討するために、オークションで仕入れシュミレーションもしたことがあります。

その経験からいうと、外装的にはかなりボロボロの車でも、アフリカ輸出では需要があることがわかりました。

オークションでは、外装の評価点といって、3.5点とか4点、5点というふうに、外装を数字で評価する制度があります。

中古車販売店が一般ユーザー向けに店頭に並べている車は、4~4.5点がほとんどです。

3.5点になると、一般ユーザーに販売するには、板金したほうがいい箇所があるレベル。

3.0になると、板金は当然ですが、けっこうお金をかけないといけないレベルになります。

日本では3.0や3.5点を仕入れしてしまうと、板金の余計な出費がかかるので、買い手が少なくオークション相場も低くなります。

しかし、アフリカ輸出となると、この3.0でもまったく問題なく販売されます。

特にハイエースなど人気の車になると、3点で走行距離も20万キロごえでも、売れるという状況です。

私も最初は驚きましたが、これが現実でした。

ただ、輸出となると船にものせますので、オイル漏れとか、いくつか気をつけない点はあるのですが、そういった点をクリアすれば、外装はほぼ問題ないという感じです。

私の個人的な知り合いで、アフリカにしばらく生活していた人がいるのですが、やはり日本車が多く走っており、エンジンをかけると日本語の音声がそのまま流れたりすると言っていました。

おそらく、ETCとかナビとかの事だと思います。

現地の方は、日本語が分からないので、その知り合いは日本人ということで、車に詳しくないのに、色々と聞かれたといっていました。

アフリカでも、基本的には右ハンドルの国で、日本車が特に流通しています。

これ以外の経験では、かなり昔の話になりますが、ある国に旅行にいったときに、ガイドさんが、この国では新車は買わないほうがいいと話していました。

なぜですか?と聞いたら、車が新しいと外装を傷つけられたり、凹まされたりするからと話していました。

かなり昔の話なので、どこの国というのは伏せておきますが、日本と海外では感覚が違うのは間違いなさそうです。

海外では日本車はなぜ人気があるのか

日本車はなぜ、こんなに海外では人気があるのでしょうか?

これについては、色々な見方があると思います。

テツヤ
テツヤ

一般的には、ジャパンブランド。日本の技術の信頼性が理由で、日本車が人気があるって思われてるけど、僕はそれだけではないと思ってるんだ

ドライブ君
ドライブ君

日本車は壊れないってイメージとかあるよね

テツヤ
テツヤ

それは間違いなく事実だよね。壊れにくいよね。僕は、それに加えて、日本人が日本車を大切にしてくれるから、質のいい中古車が残るのが大きいと思ってるんだ

そもそも、車を国産で製造している国は、実はそれほど多くありません。

アメリカでも、最近ではテスラが有名ですが、ガソリン車でいくとずいぶんと力を失っています。

ヨーロッパはドイツをはじめ、力を持っている国はいくつかあります。

韓国もそこそこがんばっています。

それ以外の国で日本車と肩を並べて競争できるような車を生産している国って、すぐに思いつきません。意外と少ないことがわかります。

ガソリン車、ハイブリッド車になると日本車が、どれほどレベルが高いかイメージがつくかと思います。

日本車が海外で人気があるのは、こういった日本の技術力という点もあるのですが、車屋からすると、それに加えて、日本人の気質が生み出した付加価値があると思っています。

具体的にいうと日本の車検制度と、それに対する日本人の姿勢です。

車検は日本だけというイメージがありますが、車検と同じか、同じような制度を取り入れている国は他にもあります。

アメリカは州によってことなります。

ドイツやイギリスをはじめ、アジアにおいても車検のような制度を定めている国はあります。

ただ、どの国と比較しても車検費用は、日本は高くなります。

というか、厳密にいうと車検費用自体は、日本もそれほど高くありません。

しかし、車検費用に加えて、車検時に合わせて必要になる法定費用があり、それを足すとトータルで、かなりの額になります。主には自賠責保険、重量税などです。

さらに、それに加えて車検費用を高くしているのが、整備費用(備品代と工賃)です。

車検が通ればいいと考える方もいますが、車検は通るけど、このあと2年間を考えたら、きわどいところも修理してほしい。交換してほしいと考える方も、一定数います。

海外と比べても、車を大切にする。事故につながりそうなリスクは排除する。こういった日本人のマインドが、車検費用を高くしているといえます。

さらに加えて、車検だけでなく定期点検もきちんとされる方もいます。

こういった積み重ねが、車の質を上げているといえます。

今の車は10万キロをこえても走る車がほとんどです。ですが、今でも日本ではこの10万キロは一つの買い替え時期のベースになっています。

実際に、その影響もあり、中古車相場も10万キロをこえると、かなり下がっています。

しかし海外では、故障を直しながら、走れるまで走るという文化の国が多いため、10万キロをこえても質の高い車がある日本は、お宝の国となるわけです。

この日本人の気質が、世界とウインウインの関係を築ける、中古車のビジネスモデルを生み出しているといっても過言ではありません。

車の傷を気にすることのデメリット

車の傷を気にすることのデメリットをみていきます。

デメリットとしては、トラブルが多くなることです。少しの傷でも、傷をつけた側とそうでない側でトラブルになります。

日本人のスタンダードな感覚では、基本的には見て少しでも分かる傷なら、現状回復してほしいというのが普通でしょう。

私はレンタカーの貸し出しもしていますが、お客様が傷をつけて帰ってくることは、たびたびあります。

お客様には、きちんと報告してくれる方と、そうでない方がいます。

ほとんどの方は、報告をしてくれますが、そういう方は、ほんとに少しの傷でも報告してくれます。

コンパウンドで消える程度の傷であれば、こちらもなかったことにする事がほとんどです。

しかし、コンパウンドでも修復できない、目立つ傷となれば、次に貸し出すときに、その傷を気にするお客様もいるので、修復する対象とすることが多いです。

何がいいいたいのかというと、日本人の通常の感覚では、少しの傷でも現状回復したほうがいいという心理が、根底にあるということです。

これはいい事ではありますが、現状回復という基本的な意識があるために、それを相手がしてくれない場合には、トラブルに発展する可能性があります。

車の傷を気にすることのメリット

メリットは車の質を高く保てることです。

そして、もう一つ上げるとすると、運転中に相手の車に傷をつけることも避けようと思うので、事故率が下がることです。

人間は痛みを避けようする傾向があります。

ということは、事故をした後に、過失割合にもよりますが、相手の車も現状回復をしようとすると、お金もかかりますし、それなりに心理的な負担も負うことになります。

こういった痛みを避けるために、人は慎重になります。

その結果として、車の質が高くなるのと、事故が少なるということが考えられます。

日本人の車の傷を気にしすぎは辞めるべきか?評価すべきか

日本人の車に対する感覚は、私は日本人らしくていい点だと思っています。

私は海外で長く住んでいた人と話した時に、環境的な面だけみると、日本は天国だよといわれました。

日本はインフラもしっかりしています。日本人が当たり前と思っている環境が、海外ではそうではないこともたくさんあります。

こういった一つの基準を持っている日本人だからこそ、海外に貢献できるビジネスを生み出していける可能性をもっていると思います。

車においても、傷や凹みを気にするところは、間違いなく車の質を高めることにつながります。

それは、車の事故率も下げるでしょうし、車屋としてはありがたい中古車ビジネスにも貢献してくれます。

もし、傷をまったく気にしなくなったら、板金工場もどんどん倒産するのではないでしょうか。

自動車保険の仕組みも、大きく変化するかもしれません。

運転も荒っぽくなるかもしれません。こういったトータルで考えるときに、私は日本人の車に傷をつけないように努力する点は、評価すべき点であり、持ち続けてほしい点だと思っています。

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